「人が来ないなら、もっと大きな求人媒体に載せればいい」
正しく聞こえます。掲載先を増やし、目立つ枠を買えば、見てくれる人は増えます。実際、掲載を広げれば閲覧数は伸びます。
ところが、応募はそれほど増えません。求人媒体を見ているのは、いま仕事を探している人です。そこには同じ業界の求人がずらりと並び、給与や休日の数字で比べられます。条件で大手に並べない会社は、見られても選ばれにくいのです。
しかも、まだ転職を考えていない人、いまの職場に少し迷いを感じている人には、そもそも届いていません。
ここで一度、順番を考え直してみます。いきなり応募してもらおうとする前に、まず会社を知ってもらう。どんな人と、どんな仕事をしているのかを、仕事を探していない人にも届ける。媒体を広げるのは、そのあとでも遅くありません。自社の求人を見て応募してきた人のうち、会社の名前を前から知っていた人は何人いるでしょうか。
応募してくる人も、いきなり求人に申し込むわけではありません。どこかで会社を知り、気になって調べ、ほかの会社と比べてから、ようやく応募を決めます。採用にも、お客様と同じ道のりがあります。
お客様は「出会う → 興味を持つ → 理解・比較する → 行動する → 関係を深める → ファンになる」という6つの段階を通って、お店や商品にたどり着きます。この流れを「セールスファネル(=ファネル)」と呼びます。買うまでの道のりを段階で捉える考え方はカスタマージャーニー※1として広く使われていて、それを実際の商売の流れに合わせて6つに整理したものです。一方通行ではありません。ファンになった方の紹介が、また新しい「出会う」を生んでいきます。

この記事で扱うのは、その出発点にあたる①出会う=認知の段階です。この記事では、お客様ではなく応募者がこの段階を通ります。応募が来ない会社が見落としている「順番」を、3つの落とし穴から見ていきます。
落とし穴1|来てほしい人が、「若くてやる気のある人」で止まっている
求人を考えるとき、「経験不問」「若手歓迎」と幅を広げたくなります。けれど、誰にでも当てはまる言葉は、誰の手も止めません。来てほしい人を具体的に描くほど、届ける場所も言葉も決まります。
たとえば「工場で働いた経験はないが、手を動かして物をつくるのが好きな20代後半。いまの仕事に、成長の手ごたえを感じられずにいる人」。ここまで描けば、その人がどこで何を見ているかが想像できます。
やること:いま活躍している社員を思い浮かべ、来てほしい人を1人に絞って、どんな人かを3行で書く。
落とし穴2|求人媒体の中だけで、出会おうとしている
求人媒体は、すでに仕事を探している人が集まる場所です。そこだけで出会おうとすると、まだ探していない人、いわゆる転職潜在層※2には届きません。その人たちは、SNSや動画、地域の情報の中で、ふだんの時間を過ごしています。
やること:来てほしい人がふだん見ていそうな場所を3つ書き出し、そのうち1つで会社を知ってもらう広告を出す。
落とし穴3|広告が、募集要項の写しになっている
「月給〇万円以上、年間休日〇日、資格取得支援あり」。条件を並べた広告は、条件で比べる人にしか響きません。仕事を探していない人の手を止めるのは、条件より「ここで働く理由」です。誰と働くのか、何ができるようになるのか、どんな一日を過ごすのか。
やること:社員に「この会社で働いていてよかったこと」を聞き、その答えを見出しにした広告の案を1つつくる。
見直すべきは掲載先ではなく、出会いの順番
応募が来ないとき、掲載先を広げたくなります。けれど、知らない会社に応募する人はほとんどいません。来てほしい人を描き、その人がいる場所で、働く理由を伝える。まず知ってもらうところから始めれば、応募の手前の道のりが整っていきます。
応募が来る会社になるために
- 求人媒体の中だけでは、条件で比べられやすい
- 来てほしい人を1人に絞って、具体的に描く
- まだ仕事を探していない人がいる場所で、会社を知ってもらう
- 広告の切り口を、募集要項から働く理由に変える
ピクニックは、サービスファネルの会社です
私たちピクニックは、お客様の商売をファネルでとらえ、どこに伸びしろが眠っているかを分析し、その段階に合った手を一緒に考える会社です。
その「出会いの順番」を仕組みに変えるのが LeadMagnet360 です。来てほしい人と伝える内容の整理 × 求人媒体の外での広告の設計と出稿 × 応募までの流れの計測と改善までを一続きで行い、まだ出会えていない人材とつながる仕組みをつくります。
まずは応募してきた人のうち、会社の名前を前から知っていた人が何人いるか。そこが見えれば、あとは出会う順番を整えるだけです。現状を一緒に確かめてみませんか。
注釈
※1 カスタマージャーニー:お客様が商品やサービスを知ってから、検討し、購入し、使い続けるまでの道のりを段階に分けて整理したもの。各段階で相手が何を考え、どこで迷うのかを見える形にするために使う。
※2 転職潜在層:いますぐの転職は考えていないものの、条件や機会しだいで転職を検討する可能性がある人たち。
