コラム

顧客との関係のゴールから逆算する設計方法

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あるお客様と、5年後にどんな関係になっていたいか。そう聞かれて、すぐに答えられるでしょうか。

多くの会社は、目の前の取引には丁寧に向き合っています。納品をきちんと終え、請求を済ませ、次の依頼を待つ。仕事としては申し分ありません。

ところが、その積み重ねの先に何があるのかを決めていないと、関係はいつまでも「取引のたびに始まり、終わる」ままです。次の依頼が来るかどうかは、相手の都合しだい。しかも、いつのまにか連絡が途絶えたお客様がいても、それに気づく仕組みがありません。

足りないのは、丁寧さではなく関係のゴールです。「5年後には、新しい事業を始めるときに最初に相談してもらえる関係」。ゴールが決まれば、いまやるべきことは逆算で決まります。自社では、取引を終えたお客様に次に何を届けるかが決まっているでしょうか。

いま付き合いのあるお客様も、最初から深い関係だったわけではありません。どこかで自社を知り、比べて選び、取引を始め、少しずつ信頼を積み上げてきました。

お客様は「出会う → 興味を持つ → 理解・比較する → 行動する → 関係を深める → ファンになる」という6つの段階を通って、お店や商品にたどり着きます。この流れを「セールスファネル(=ファネル)」と呼びます。買うまでの道のりを段階で捉える考え方はカスタマージャーニー※1として広く使われていて、それを実際の商売の流れに合わせて6つに整理したものです。一方通行ではありません。ファンになった方の紹介が、また新しい「出会う」を生んでいきます。

セールスファネル6段階の図(出会う・興味を持つ・理解・比較する・行動する・関係を深める・ファンになる)

この記事で扱うのは、その5つめにあたる⑤関係を深める=継続の段階です。目の前の取引を積み上げる考え方と、関係のゴールから逆算する考え方を、3つの観点で比べていきます。

観点1|次の接点の決まり方で比べる

積み上げで考える会社では、次の接点はお客様からの依頼で決まります。依頼がなければ、連絡もありません。

逆算で考える会社は、ゴールに向けて、次にいつ、何を届けるかを先に決めます。納品の1か月後に使い方の確認、半年後に点検の案内、1年後に新しい提案。依頼を待たずに、関係を進める接点があります。単発の取引が中心の商売なら積み上げでも回りますが、長く続く関係が利益の柱になる商売なら、逆算のほうが安定します。

やること:取引を終えたあとの1年間で、お客様に届けたいことを時期ごとに3つ書き出す。

観点2|情報の残し方で比べる

積み上げで考える会社では、お客様とのやりとりは担当者の記憶とメールに残り、担当が変わると途切れます。

逆算で考える会社は、ゴールに向かう途中のどこにいるかを、記録として残します。いまどの段階で、次に何を届ける予定か。顧客の情報を一か所で管理するCRM※2を使えば、担当が変わっても関係は途切れません。

やること:お客様ごとに「いまどの段階か」「次に届けること」の2つを記録する欄をつくる。

観点3|成果の測り方で比べる

積み上げで考える会社は、成果をその月の売上で測ります。

逆算で考える会社は、売上に加えて、関係がゴールに近づいているかを測ります。取引の継続年数、2回目以降の依頼の割合、紹介の数。こうした数字を見ていると、売上に表れる前に関係の変化に気づけます。

やること:関係の深まりを見る数字を1つ選び、毎月記録する。

ゴールが決まれば、今日やることが決まる

関係は、目の前の取引を丁寧に重ねるだけでは、深まり方が相手まかせになります。5年後の姿を先に決め、そこから逆算して接点を置き、記録し、測る。ゴールがあるから、今日の一通に意味が生まれます。

関係のゴールから逆算するために

  • ゴールがないと、関係は取引のたびに始まり、終わる
  • 取引後1年間に届けることを、時期ごとに決める
  • いまどの段階か、次に何を届けるかを記録に残す
  • 売上だけでなく、関係の深まりを数字で見る

ピクニックは、サービスファネルの会社です

私たちピクニックは、お客様の商売をファネルでとらえ、どこに伸びしろが眠っているかを分析し、その段階に合った手を一緒に考える会社です。

その「関係のゴールからの逆算」を形にするのが 構想設計 です。顧客像と目指す関係の整理 × ゴールから逆算した接点の設計 × 施策の優先順位と実行の道筋づくりまでを伴走し、長く続くお客様との関係を設計図にします。

まずは自社で、取引を終えたお客様に次に何を届けるかが決まっているか。そこが見えれば、あとはゴールから逆算するだけです。現状を一緒に確かめてみませんか。


注釈

※1 カスタマージャーニー:お客様が商品やサービスを知ってから、検討し、購入し、使い続けるまでの道のりを段階に分けて整理したもの。各段階で相手が何を考え、どこで迷うのかを見える形にするために使う。

※2 CRM:顧客との関係を管理するための仕組み。顧客情報、取引の履歴、次回の予定などを一元的に扱う。