「紹介は、ご縁と運で決まるものだ」
正しく聞こえます。紹介は頼んで生まれるものではなく、お客様の好意から生まれるもの。こちらで操作できるものではない、と考えるのは自然です。
ところが、紹介で仕事が続いている会社の話を聞くと、少し違う景色が見えてきます。紹介をくれる人は、だいたい決まっている。紹介が生まれるきっかけも、納品のあとの一言や、困ったときの素早い対応など、いくつかに絞られる。運のように見えて、実は偏りがあるのです。
ただ、その偏りは、記録に残っていなければ見えません。「どなたのご紹介ですか」を聞かずに受けた仕事は、紹介だったことさえ分からなくなります。
ここで一度、紹介を記録してみます。誰から、いつ、どんなきっかけで来たのか。それが見えれば、紹介を増やす手がかりがつかめます。この1年の新規のお客様のうち、紹介で来た方は何社か分かるでしょうか。
紹介をくれるお客様も、最初から自社を勧めてくれていたわけではありません。どこかで知り、比べて選び、取引を重ねるうちに、人に勧めたいと思うようになった。紹介は、その道のりの最後に生まれます。
お客様は「出会う → 興味を持つ → 理解・比較する → 行動する → 関係を深める → ファンになる」という6つの段階を通って、お店や商品にたどり着きます。この流れを「セールスファネル(=ファネル)」と呼びます。買うまでの道のりを段階で捉える考え方はカスタマージャーニー※1として広く使われていて、それを実際の商売の流れに合わせて6つに整理したものです。一方通行ではありません。ファンになった方の紹介が、また新しい「出会う」を生んでいきます。

この記事で扱うのは、その最後、6つめにあたる⑥ファンになる=推奨の段階です。紹介の流れが見えている会社と見えていない会社を、3つの観点で比べていきます。
観点1|記録の残り方で比べる
見えていない会社では、新しい問い合わせを受けても、きっかけを聞かずに対応が始まります。担当者が覚えていても、記録には残りません。
見えている会社は、受付のときに「どちらでお知りになりましたか」を必ず聞き、紹介なら紹介者の名前まで記録します。問い合わせフォームにこの欄を1つ足すだけでも、記録は残り始めます。
やること:問い合わせの受付で聞く項目に「きっかけ」と「紹介者」を加え、顧客の記録と同じ場所に残す。
観点2|紹介者とのつながりで比べる
見えていない会社では、紹介で来た新しいお客様と、紹介してくれたお客様が別々に管理されています。紹介が成約したかどうかも、紹介者には伝わりません。
見えている会社では、CRM※2の中で、新しいお客様と紹介者がつながっています。誰の紹介からどれだけの取引が生まれたかが一覧で見えるので、紹介者へのお礼や報告を忘れずにできます。
やること:紹介者と紹介されたお客様をつなげて記録し、成約したら紹介者にお礼を伝える流れを決める。
観点3|きっかけの見え方で比べる
見えていない会社では、紹介が増えた月も減った月も、理由が分かりません。
見えている会社は、紹介が生まれる前に何があったかを振り返れます。納品後の点検のあと、困りごとに素早く対応したあと。紹介のきっかけが見えれば、それを意図して増やせます。
やること:直近の紹介を5件選び、紹介の前にどんな接点があったかを書き出して、共通するきっかけを探す。
紹介は、見えるようにすれば増やせる
紹介は、ご縁と運だけで決まるものではありません。記録し、つなげ、きっかけを振り返る。それだけで、紹介は再現できるものに変わります。紹介をくれたお客様への感謝も、きちんと届くようになります。
紹介がどこから来ているかを見えるようにするために
- 紹介は運に見えて、実は偏りがある
- 受付で「きっかけ」と「紹介者」を必ず記録する
- 紹介者と新しいお客様を、CRMの中でつなげる
- 紹介の前の接点を振り返り、きっかけを見つける
ピクニックは、サービスファネルの会社です
私たちピクニックは、お客様の商売をファネルでとらえ、どこに伸びしろが眠っているかを分析し、その段階に合った手を一緒に考える会社です。
その「紹介の見える化」を仕組みに変えるのが DXシステム開発 です。業務の流れの整理 × CRMによる顧客と紹介の記録 × フォームや既存システムとの連携までを設計・開発し、紹介が生まれる関係を裏側から支えます。
まずはこの1年の新規のお客様のうち、紹介で来た方が何社か。そこが見えれば、あとはきっかけを増やしていくだけです。現状を一緒に確かめてみませんか。
注釈
※1 カスタマージャーニー:お客様が商品やサービスを知ってから、検討し、購入し、使い続けるまでの道のりを段階に分けて整理したもの。各段階で相手が何を考え、どこで迷うのかを見える形にするために使う。
※2 CRM:顧客との関係を管理するための仕組み。顧客情報、取引の履歴、紹介のつながりなどを一元的に扱う。
