「売上が足りないなら、まず新規のお客様を増やすべきだ」
正しく聞こえます。お客様の数が増えれば、売上も増える。商売の基本です。
たとえば、月に500人がサイトを見て、問い合わせが10件、そのうち成約が2件だとします。見る人を倍の1,000人にすれば、成約は4件。ただし、人を集める費用も倍かかります。
ここで一度、数字の並びを見てみます。500人から問い合わせ10件へは50分の1、問い合わせ10件から成約2件へは5分の1。もし問い合わせから成約への割合を5分の2に上げられれば、人を増やさなくても成約は4件になります。どこを太くするかで、同じ結果にかかる費用はまったく変わるのです。
つまり、増やす前に、細い場所を探す。新規を増やすのは、そのあとでも遅くありません。自社では、問い合わせのうち何件が成約しているか、すぐに答えられるでしょうか。
そもそも成約したお客様も、いきなり契約したわけではありません。どこかで自社を知り、サイトを見て興味を持ち、他社と比べ、問い合わせて、ようやく契約に至った。その間には、いくつもの段階があります。
お客様は「出会う → 興味を持つ → 理解・比較する → 行動する → 関係を深める → ファンになる」という6つの段階を通って、お店や商品にたどり着きます。この流れを「セールスファネル(=ファネル)」と呼びます。買うまでの道のりを段階で捉える考え方はカスタマージャーニー※1として広く使われていて、それを実際の商売の流れに合わせて6つに整理したものです。一方通行ではありません。ファンになった方の紹介が、また新しい「出会う」を生んでいきます。

この記事で扱うのは、この6段階のうち、自社でいちばん細くなっている場所を見つける方法です。その場所はボトルネック※2とも呼ばれます。見つけるときによく聞かれる3つの質問に答えていきます。
Q. 何を数えればいいですか
結論から言うと、各段階の「人数」を1つずつ数えれば十分です。①出会うならサイトを見た人の数、④行動するなら問い合わせや来店の数、⑤関係を深めるなら2回目の利用があった人の数。段階ごとに1つの数字を決めて、1か月分を横に並べます。
並べたら、隣り合う数字の割合を出します。割合がいちばん小さいところが、いちばん細い場所の候補です。
やること:6段階それぞれに「この数を数える」という項目を1つ決め、先月分の数字を書き込む。
Q. 数字が取れない段階は、どうすればいいですか
すべての数字がそろう会社のほうが少ないものです。取れない段階は、無理に正確な数字を出そうとせず、目安でかまいません。「問い合わせのうち、見積もりまで進んだのは体感で半分くらい」。それでも、並べてみると細い場所の見当はつきます。
大事なのは、次の月から数えられるようにしておくことです。問い合わせの記録に「どこで知ったか」の欄を1つ足すだけで、①出会うの数字が取れるようになります。
やること:数字が取れなかった段階に目安の数を入れ、次の月から数えるための欄を1つ足す。
Q. 細い場所が、いくつもあったらどうしますか
いくつも見つかったら、基本はお客様が先に通る段階から手を入れます。前の段階が細いと、後ろの段階に届く人がそもそも少なく、直しても効果が見えにくいからです。ただし、後ろの段階で極端に人が減っているなら、そちらが先です。せっかく来た人を、最後で逃していることになります。
やること:割合の小さい段階を2つまで選び、どちらから手を入れるかを決めて紙に書く。
太くすべき場所は、数字が教えてくれる
細い場所を見つけるのに、難しい分析は要りません。段階ごとに数を数え、並べ、割合を出す。それだけで、勘で選んでいた打ち手が、根拠のある一手に変わります。いちばん細い場所を1つ太くすれば、入口を広げなくても売上は動き始めます。
自社のファネルの細い場所を見つけるために
- 人を増やす前に、どこが細いかを確かめる
- 6段階それぞれに数える項目を1つ決め、横に並べる
- 数字が取れない段階は目安で埋め、次の月から数える
- 細い場所が複数なら、基本は前の段階から手を入れる
ピクニックは、サービスファネルの会社です
私たちピクニックは、お客様の商売をファネルでとらえ、どこに伸びしろが眠っているかを分析し、その段階に合った手を一緒に考える会社です。
その「細い場所の見つけ方」を仕組みに変えるのが 構想設計 です。顧客像と提供価値の整理 × 6段階のファネル診断 × 強化する段階と優先順位の設計までを伴走し、どこを太くすべきかを数字で明らかにします。
まずは自社で、問い合わせのうち何件が成約しているか。そこが見えれば、あとは細い場所から太くしていくだけです。現状を一緒に確かめてみませんか。
注釈
※1 カスタマージャーニー:お客様が商品やサービスを知ってから、検討し、購入し、使い続けるまでの道のりを段階に分けて整理したもの。各段階で相手が何を考え、どこで迷うのかを見える形にするために使う。
※2 ボトルネック:全体の流れの中で、最も詰まっていて成果を制限している箇所のこと。
