コラム

購入履歴を活かした、一人ひとりに合わせた接点づくり

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コーヒー豆を2週間おきに買っていくお客様がいます。その人に今月送るお知らせは、何がいいでしょうか。

多くのお店では、答えは「全員と同じもの」です。新商品の案内、セールのお知らせ。送った数だけ見れば、ちゃんと接点は持てています。ここまでは狙いどおりです。

ところが、その人がいつも買うのは深煎りだけ。届くのは浅煎りの新商品の案内ばかりです。何度か続くと、お知らせは開かれなくなります。しかも、いつもの周期で来なくなったことに、お店の側は気づけません。レジの記録には、ちゃんと残っているのに。

けれど、答えはもう手元にあります。何を、いつ、どれくらいの間隔で買っているか。その記録を、お知らせの内容とタイミングにつなぐだけです。自社には、お客様ごとの購入の記録が何件あるでしょうか。

そしてその常連のお客様も、最初から常連だったわけではありません。店の前を通って気になり、一度入ってみて、他の店と飲み比べ、また買いに来た。振り返れば、何度目かの来店の先に、いまの2週間おきがあります。

お客様は「出会う → 興味を持つ → 理解・比較する → 行動する → 関係を深める → ファンになる」という6つの段階を通って、お店や商品にたどり着きます。この流れを「セールスファネル(=ファネル)」と呼びます。買うまでの道のりを段階で捉える考え方はカスタマージャーニー※1として広く使われていて、それを実際の商売の流れに合わせて6つに整理したものです。一方通行ではありません。ファンになった方の紹介が、また新しい「出会う」を生んでいきます。

セールスファネル6段階の図(出会う・興味を持つ・理解・比較する・行動する・関係を深める・ファンになる)

この記事で扱うのは、その5つめにあたる⑤関係を深める=継続の段階です。購入の記録を、一人ひとりに合った接点に変える手順を見ていきます。

ステップ1|まず、記録を1か所に集める

レジのデータ、ネットショップの注文、会員カード、手書きの顧客台帳。記録はあっても、ばらばらの場所にあると使えません。誰が、いつ、何を買ったかが1人ずつ見える状態にすることが出発点です。最初から大がかりなシステムを入れる必要はありません。表計算ソフトの1枚でも、一覧になっているだけで見えることが変わります。お客様の情報と購入履歴をまとめて管理する仕組みを、CRM※2と呼びます。

やること:いまお客様の記録がある場所をすべて書き出し、「名前(または会員番号)・購入日・商品」の3項目がそろっているものを1つの表にまとめる。

ステップ2|買い方で、お客様を3つに分ける

全員に同じものを送るのをやめる第一歩は、細かく分けすぎないことです。最初は3つで十分です。よく買う人、しばらく来ていない人、一度だけ買った人。分け方が決まれば、それぞれに送る内容も自然に決まります。よく買う人には新商品より「いつもの」の入荷案内を、しばらく来ていない人には近況を尋ねる一言を、一度だけの人には使い方のコツを届けます。

やること:直近3か月の記録から、「月に2回以上買っている」「前回から60日以上空いている」「購入が1回だけ」の3つにお客様を振り分ける。

ステップ3|送るタイミングを、記録から自動で決める

いつもの周期を過ぎても来ないお客様に、1通だけ声をかける。いつもの商品が切れそうな頃に、案内を届ける。こうした連絡を手作業で続けるのは大変ですが、記録とつながっていれば、条件に合ったお客様に自動で届けられます。最初から完璧な条件を目指す必要はありません。1つ動かしてみて、反応を見ながら増やしていけば十分です。別々のシステム同士をつないでデータをやりとりすることを、API連携※3と呼びます。

やること:「前回の購入から○日たったら案内を送る」という条件を1つだけ決め、まずはその1通から自動化する。

記録は、お客様との会話の続き

購入履歴は、単なる売上の数字ではありません。お客様がどんな好みで、どんな間隔で店を必要としているかを教えてくれる、会話の続きです。その会話に合わせて声をかけるだけで、「自分のことを分かってくれている店」になります。この段階の先には、⑥ファンになるがあります。

まとめ

  • 散らばった購入の記録を、1か所に集める
  • 最初は、買い方で3つに分けるだけでいい
  • 送るタイミングは、記録から自動で決める
  • 記録を、一人ひとりとの会話として使う

ピクニックは、サービスファネルの会社です

私たちピクニックは、お客様の商売をファネルでとらえ、どこに伸びしろが眠っているかを分析し、その段階に合った手を一緒に考える会社です。

その「一人ひとりに合わせた接点」を仕組みに変えるのが DXシステム開発 です。顧客と購入履歴をまとめるCRMの整備 × 既存システムとのAPI連携 × 現場で使い続けるための運用支援までを一緒に設計し、手間をかけずに続く関係づくりを支えます。

まずは、自社にお客様ごとの購入の記録が何件あるか。そこが見えれば、あとはつないで使うだけです。現状を一緒に確かめてみませんか。


注釈

※1 カスタマージャーニー:お客様が商品やサービスを知ってから、検討し、購入し、使い続けるまでの道のりを段階に分けて整理したもの。各段階で相手が何を考え、どこで迷うのかを見える形にするために使う。

※2 CRM:Customer Relationship Management(顧客関係管理)の略。お客様の情報や購入履歴、やりとりの記録を1か所にまとめて管理し、関係づくりに活かす仕組み。

※3 API連携:別々のシステム同士をつなぎ、データを自動でやりとりできるようにすること。手作業での転記や二重入力をなくせる。

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