コラム

導入事例ページが、比較検討中の背中を押す理由

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

「御社の事例って、どこかに載っていますか」

商談の終盤、先方の担当者からこう聞かれます。手ごたえのある打ち合わせでした。製品の説明にもうなずいてもらえた。営業担当は「後ほど資料をお送りします」と答えて、会社に戻ります。

ところが、送れる資料がありません。実績はある。けれど、どの会社の、どんな課題を、どう解決したのかを、外に出せる形でまとめたものがない。結局、製品カタログを送ることになります。

そして翌週、「今回は他社さんで」と連絡が来ます。

比較している人が最後に知りたいのは、性能より「自分たちと似た会社で、うまくいったのか」です。その答えが見つからないと、判断は先送りになるか、答えを持っている他社に流れます。逆に言えば、すでにある実績を、相手が読める形に並べ直すだけでいい。新しい実績をつくる必要はありません。

自社のサイトには、外に出せる事例が何件載っているでしょうか。

事例を探しているその担当者も、いきなり商談の席についたわけではありません。どこかで自社を知り、サイトを見て興味を持ち、何社かと見比べている最中です。

お客様は「出会う → 興味を持つ → 理解・比較する → 行動する → 関係を深める → ファンになる」という6つの段階を通って、お店や商品にたどり着きます。この流れを「セールスファネル(=ファネル)」と呼びます。買うまでの道のりを段階で捉える考え方はカスタマージャーニー※1として広く使われていて、それを実際の商売の流れに合わせて6つに整理したものです。一方通行ではありません。ファンになった方の紹介が、また新しい「出会う」を生んでいきます。

セールスファネル6段階の図(出会う・興味を持つ・理解・比較する・行動する・関係を深める・ファンになる)

この記事で扱うのは、その3つめにあたる③理解・比較する=検討の段階です。導入事例※2のページが比較の決め手になっているかを、5つの問いで確かめていきます。

5つの問いで、事例ページを確かめる

次の5つに「はい/いいえ」で答えてみてください。いいえが付いたところが、比べている人が答えを見つけられずに止まる場所です。

チェック1|事例に、お客様の「導入前の悩み」が書いてあるか

事例ページによくあるのは、納品した製品の写真と仕様だけが並ぶ形です。比較している人が自分と重ねるのは、製品ではなく悩みのほうです。「手作業の検品で、毎月のように出荷ミスが出ていた」。この一文があるだけで、同じ悩みを持つ人が読み進めます。

やること:既存の実績から3件を選び、それぞれ「導入前に困っていたこと」を2行で書き足す。

チェック2|「なぜ自社を選んだのか」が、お客様の言葉で載っているか

自社で書いた強みは、どの会社も似てきます。決め手を教えてくれるのは、実際に選んだお客様です。「図面の段階から相談に乗ってくれた」「試作を1台から受けてくれた」。こうした言葉は、比較している人がいちばん知りたい判断材料になります。

やること:掲載したいお客様に「当社を選んだ決め手は何でしたか」と聞き、許可を得て一文だけ引用する。

チェック3|業種や規模で、事例を探せるか

事例が10件あっても、一覧に社名が並ぶだけでは、自分に近いものを探せません。製造業の担当者は製造業の事例を、従業員30人の会社は同じくらいの規模の事例を読みたいのです。

やること:事例一覧に「業種」「規模」「課題」の3つの分類を付け、それぞれで絞り込めるようにする。

チェック4|導入後の変化が、言い過ぎずに書いてあるか

「劇的に改善」「大幅に効率化」と書きたくなりますが、比較している人は大げさな表現ほど疑います。信頼されるのは、何がどう変わったかを落ち着いて書いた事例です。数字が出せなければ、「検品の担当が2人から1人になった」のような具体的な変化でかまいません。

やること:各事例の「導入後」の欄を見直し、形容詞を1つ消して、具体的な変化に置き換える。

チェック5|事例を読んだ人が、次に進む場所があるか

事例を読み終えて「うちも相談してみようか」と思った瞬間に、問い合わせの入口が見当たらない。これはもったいない形です。読み終えたその場所に次の一歩を置いておけば、比較から行動へ自然に移れます。

やること:各事例の最後に「同じような課題のご相談はこちら」という一文と、問い合わせへの入口を置く。

事例は、比べる人のための「答え合わせ」

比べている人は、最後に答え合わせをしたいのです。自分たちと似た会社で、似た悩みが、どう変わったのか。その答えが事例ページにあれば、判断を先送りする理由がなくなります。実績は、並べ方しだいで比較の決め手に変わります。

導入事例ページで、比較の決め手をつくるために

  • 比べる人が知りたいのは、性能より「似た会社でうまくいったか」
  • 事例には、導入前の悩みと選ばれた決め手を書く
  • 業種や規模で探せるようにし、変化は具体的に書く
  • 読み終えた場所に、次の一歩を置く

ピクニックは、サービスファネルの会社です

私たちピクニックは、お客様の商売をファネルでとらえ、どこに伸びしろが眠っているかを分析し、その段階に合った手を一緒に考える会社です。

その「答え合わせ」を仕組みに変えるのが CustomBuild HP です。伝える相手と実績の棚卸し × 比べる人が探しやすい事例ページの設計 × 公開後も事例を加えて育てる運用までを一体で支援し、選ばれる理由が伝わるWeb基盤をつくります。

まずは5つの問いのうち、「いいえ」がいくつ付いたか。そこが見えれば、あとは手元の実績を並べ直すだけです。現状を一緒に確かめてみませんか。


注釈

※1 カスタマージャーニー:お客様が商品やサービスを知ってから、検討し、購入し、使い続けるまでの道のりを段階に分けて整理したもの。各段階で相手が何を考え、どこで迷うのかを見える形にするために使う。

※2 導入事例:実際に商品やサービスを導入したお客様が、どんな課題を抱え、どう解決したのかをまとめたもの。検討中の人が自社に置き換えて判断する材料になる。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る