同じ広告費で、1万人に届けるのと、1,000人に届けるの。問い合わせが多くなるのは、どちらでしょうか。
多くの人は1万人を選びます。届く人が10倍なら、問い合わせも増えそうに思えます。実際、表示回数もクリック数も1万人のほうが伸びます。ここまでは狙いどおりです。
ところが、その1万人のうち、自社の商品を必要としている人がほんの一握りだったらどうでしょう。たとえば地域の住宅リフォーム会社が、市内の20代から70代に広く広告を出したとします。見ているのは、賃貸に住む学生や、家を建てたばかりの人が大半です。クリックはされても、問い合わせには進みません。
しかも、広く届けるほど広告の言葉もぼやけます。誰にでも当てはまる「快適な住まいを」という言葉は、誰の手も止めません。
抜け出す方法は、拍子抜けするほど単純です。届ける相手を先に決めてから、広告を出す。築20年を超える持ち家に住む、子どもが独立した夫婦。そこまで絞ると、届く人数は減っても、言葉が刺さる人の割合が上がります。
自社の広告がいま誰に届いているか、一言で言えるでしょうか。
そもそも広告を見た人も、いきなり問い合わせてくるわけではありません。広告で自社を知り、気になって調べ、他と見比べ、それから連絡してくる。その最初の一歩を誰に踏んでもらうかで、後に続く道のりも変わります。
お客様は「出会う → 興味を持つ → 理解・比較する → 行動する → 関係を深める → ファンになる」という6つの段階を通って、お店や商品にたどり着きます。この流れを「セールスファネル(=ファネル)」と呼びます。買うまでの道のりを段階で捉える考え方はカスタマージャーニー※1として広く使われていて、それを実際の商売の流れに合わせて6つに整理したものです。一方通行ではありません。ファンになった方の紹介が、また新しい「出会う」を生んでいきます。

この記事で扱うのは、その出発点にあたる①出会う=認知の段階です。広告を「見込み客」に絞って届けるターゲティング※2の基本を、3つのステップで見ていきます。
ステップ1|まず、直近のお客様10人を書き出す
この手順の目的は、「誰に届けるか」を想像ではなく事実から決めることです。ターゲットを考えようとすると、「30代から50代の男女」のような広い言葉になりがちです。そこで、実際に買ってくれたお客様から始めます。
直近で成約したお客様10人について、年齢、住んでいる地域、家族構成、相談のきっかけを1行ずつ書き出します。並べてみると、たいてい共通点が2つか3つ浮かびます。「市内の持ち家」「子どもが独立した夫婦」「水回りの不具合がきっかけ」といった具合です。
やること:10人の共通点を1文にまとめる。言えたら次へ進みます。これが見込み客の姿、ペルソナ※3の下書きになります。
ステップ2|その人に届く「場所」と「条件」を決める
次の目的は、決めた相手に無駄なく届けることです。ネット広告は、地域、年齢、関心、検索した言葉などで、表示する相手を細かく選べます。チラシのように町内全部にまく必要はありません。
ステップ1の共通点を、広告の配信条件に置き換えます。「市内の持ち家」は配信地域と年齢層に。「水回りの不具合」は、検索連動型広告※4で狙う言葉に。条件は欲張らず、媒体ごとに2つか3つに絞ります。
やること:配信条件を書き出し、「この条件なら、あの10人に届くか」と見比べる。うなずけたら次へ進みます。
ステップ3|絞った相手に向けて、広告の言葉を書き直す
最後の目的は、届いた相手に「自分のことだ」と気づいてもらうことです。条件を絞っても、言葉が「快適な住まいを」のままでは手は止まりません。
ステップ1で浮かんだ相談のきっかけを、そのまま広告の見出しにします。「築20年、お風呂の床が冷たくなってきたら」。読む人は少なくても、読んだ人の手が止まる言葉です。見出しは2案つくり、同じ条件で配信して反応を比べます。
やること:見出しを2案つくって配信し、反応のよいほうを残す。そこから次の見直しが始まります。
減らすほど、届くようになる
届ける相手を絞るのは、勇気が要ります。広告を見る人の数は確かに減るからです。けれど、届く人数は減っても、自分ごとだと感じる人は増えます。広告費が同じなら、その差はそのまま問い合わせの差になります。
「見込み客」に絞って届けるために
- 広く届けるほど言葉はぼやけ、誰の手も止まらない
- 直近のお客様10人から、見込み客の共通点を見つける
- その共通点を、広告の配信条件に置き換える
- 絞った相手に向けて見出しを書き直し、2案で比べる
ピクニックは、サービスファネルの会社です
私たちピクニックは、お客様の商売をファネルでとらえ、どこに伸びしろが眠っているかを分析し、その段階に合った手を一緒に考える会社です。
その「絞って届ける」を仕組みに変えるのが LeadMagnet360 です。対象顧客とニーズの整理 × 広告の切り口とクリエイティブの設計 × 配信結果を見た改善までを一続きで行い、まだ出会えていない見込み客との接点をつくります。
まずは直近のお客様10人に、共通点がいくつあるか。そこが見えれば、あとは届ける条件と言葉を合わせるだけです。現状を一緒に確かめてみませんか。
注釈
※1 カスタマージャーニー:お客様が商品やサービスを知ってから、検討し、購入し、使い続けるまでの道のりを段階に分けて整理したもの。各段階で相手が何を考え、どこで迷うのかを見える形にするために使う。
※2 ターゲティング:広告や情報を届ける相手を、地域・年齢・関心などの条件で絞り込むこと。
※3 ペルソナ:商品やサービスを届けたい典型的なお客様の姿を、年齢や暮らし、悩みまで具体的に描いた人物像。
※4 検索連動型広告:GoogleやYahoo!などで検索された言葉に合わせて、検索結果の画面に表示される広告。リスティング広告とも呼ばれる。
