たとえば、同じ素材、同じ製法でつくった木の器が2つあるとします。片方の説明は「国産ヒノキを使用」。もう片方は「60年育ったヒノキを、職人が一つずつ削り出しています」。手に取りたくなるのは、どちらでしょうか。
答えは聞くまでもありません。説明を変えた側に人が集まり、問い合わせも増えるはずです。こだわりは、ちゃんと伝われば興味に変わります。
ところが、多くの会社のサイトには、前者のような説明が並んでいます。こだわりがないわけではありません。むしろ現場には、語り尽くせないほどの工夫があります。それが「国産材使用」「高品質」の一言に縮められているのです。
しかも、縮めた言葉はどの会社も使えます。比べる人の目には、どこも同じに映ります。
抜け出す方法は、拍子抜けするほど簡単です。こだわりを、見る人の側から言い直す。新しい商品も、新しい設備も要りません。自社サイトの商品説明のうち、「なぜそうしているか」まで書いてあるものは何件あるでしょうか。
そしてその説明を読む人も、いきなり商品ページにたどり着いたわけではありません。検索や紹介でどこかで自社を知り、「どんな会社だろう」と気になって、ページを開いています。
お客様は「出会う → 興味を持つ → 理解・比較する → 行動する → 関係を深める → ファンになる」という6つの段階を通って、お店や商品にたどり着きます。この流れを「セールスファネル(=ファネル)」と呼びます。買うまでの道のりを段階で捉える考え方はカスタマージャーニー※1として広く使われていて、それを実際の商売の流れに合わせて6つに整理したものです。一方通行ではありません。ファンになった方の紹介が、また新しい「出会う」を生んでいきます。

この記事で扱うのは、その2つめにあたる②興味を持つ=関心の段階です。こだわりが興味に変わらない、3つの落とし穴を見ていきます。
落とし穴1|こだわりを、作り手の言葉のまま書いている
現場で使っている言葉は、外の人には伝わりにくいものです。「含水率を低く管理」と書いても、読む人には何がいいのか分かりません。言葉を、受け取る側の得に置き換える必要があります。特徴をベネフィット※2に言い直す、とも言われる作業です。「乾燥を徹底しているので、数年たっても反りや割れが出にくい」。こう書けば、こだわりが選ぶ理由に変わります。
やること:商品説明から専門用語を3つ選び、それぞれ「だから、使う人にとって何がいいのか」を1文で書き足す。
落とし穴2|こだわりを、全部並べすぎている
伝えたいことが多い会社ほど、説明が長くなります。素材、製法、検査、保証。全部を同じ大きさで並べると、読む人はどれが大事なのか分かりません。結局、何も残らないままページを閉じます。
やること:1つの商品について、こだわりを1つだけ選んで見出しにし、残りは「その他の特長」として下にまとめる。
落とし穴3|こだわりを、文字だけで伝えようとしている
職人の手元、削りくず、検査の様子。こだわりの多くは、見ればすぐに伝わります。それを文章だけで説明しようとすると、読む人は想像するしかありません。写真が1枚あれば、長い説明より先に「本当にやっているんだ」と伝わります。
やること:いちばん伝えたいこだわりについて、作業の場面の写真を1枚撮り、説明文のすぐ上に置く。
伝えるべきは、こだわりの中身より、それで何が変わるか
こだわりは、それだけでは興味に変わりません。読む人が「自分にとって何がいいのか」を受け取ったとき、初めて手が止まります。作り手の言葉を受け手の言葉に置き換え、1つに絞り、目に見える形で示す。眠っていたこだわりは、それだけで選ばれる理由になります。
こだわりを“興味”に変えるために
- こだわりは、縮めた一言ではどの会社も同じに見える
- 専門用語は、使う人にとっての得に言い直す
- こだわりは1つに絞って見出しにする
- 文字だけでなく、作業の場面を写真で見せる
ピクニックは、サービスファネルの会社です
私たちピクニックは、お客様の商売をファネルでとらえ、どこに伸びしろが眠っているかを分析し、その段階に合った手を一緒に考える会社です。
その「伝わるこだわり」を仕組みに変えるのが CustomBuild HP です。伝える相手と強みの棚卸し × こだわりが伝わる構成と言葉 × 写真や図解を使った見せ方の設計までを一体で支援し、会社の価値が伝わるWeb基盤をつくります。
まずは自社の商品説明のうち、「なぜそうしているか」まで書けているものが何件あるか。そこが見えれば、あとは言い直していくだけです。現状を一緒に確かめてみませんか。
注釈
※1 カスタマージャーニー:お客様が商品やサービスを知ってから、検討し、購入し、使い続けるまでの道のりを段階に分けて整理したもの。各段階で相手が何を考え、どこで迷うのかを見える形にするために使う。
※2 ベネフィット:商品やサービスの特徴によって、お客様が得られる良いこと。「何ができるか」ではなく「使うとどうなるか」で表す。
